ダイジェスト版精神分析統合理論:「自由と希望」の方法論

 ダイジェスト版精神分析統合理論:「自由と希望」の方法論

 を発刊しました。

        総ページ数 318ページ

        定価 「本体5,000円+税」

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        【目次】

   序文

   第一章 心の理解度チェック
     第一節 質問(100問)
     第二節 解答への糸口 

   第二章 精神分析統合理論の紹介
     精神分析の革命、精神統合理論の目次

   第三章 精神分析統合理論の概略
     精神分析統合理論の論述の流れ、
     精神構造の基本型(第Ⅰ型〜第Ⅳ型)、
     脳内神経回路機能網

   第四章 精神分析統合理論の意義
     精神分析の意義、神経症論から精神病論へ、
     精神病の原因と治癒、
     二人の分析医で治す新しい治療法、
     なぜ精神病を治そうとしないか?

   第五章 精神分析統合理論の大綱
     二種の情動、二種の情動特性、
     許しの環と救いの環、
     複合拘束、疾患形成、根治療法

   第六章 精神分析統合理論の成立
     阿闍世(アジャセ)コンプレックス、
     自己愛(ナルシシズム)、
     精神病(統合失調症、躁鬱病)の原因解明と
       治療法の確立、
     従来の精神分析の見直し作業

   第七章 新しい心の科学
     新しい精神医学、新しい精神分析学(Ⅰ)、
     新しい精神医学、新しい精神分析学(Ⅱ)、
     仏陀と精神分析統合理論、
     フロイトと精神分析統合理論、
     クラインと精神分析統合理論、
     コフートと精神分析統合理論、
     ウィニコットと精神分析統合理論、
     発達論と精神分析統合理論、
     「無」の領域、科学としての精神分析

   第八章 精神分析統合理論の基本概念
     精神医学体系の改変、心の正常と異常、
     認知と認識、
     二種の不快な情動が示す特性、
     許しの環と救いの環、
     情動系神経回路機能網、
     マゾキズムとナルシシズム、
     情動系を構成する14個の構成因子、
     情動系各構成因子の特性、
     情動系における神経伝達の法則、
     制御、防衛、解離、快・不快原則、
     マゾキズム系とナルシシズム系の連動性、
     不快の快変換ルート、
     不快の(ナルシシズム系への)逆転送ルート、
     葛藤、 取り入れと投影、感情移入と知性化、
     病的同一化のメカニズム、 病的同一化の種類、
     否認と投影性同一視、分裂、
     基本的防衛態勢、防衛の流動化、
     不快因子同士の連動性、
     前駆型閉鎖回路、 マゾキズム系閉鎖回路、
     ナルシシズム系閉鎖回路、
     移行現象(移行対象)、
     否認、または前駆型閉鎖回路、
     病的同一化、または原始的防衛態勢、
     倒錯的思考、自責回路

   第九章 人格傾向
     人格傾向、成長する理想的対象、
     いわゆる「主体性」、
     「反撃」という性質、
     気質(分裂気質と循環気質)、
     気質と病的同一化、
     「すなおさ」と「まじめさ」、
     批判と忍耐、依存(しがみつき)、
     惚れ込み、
     期待(当て)、巻き込み、うぬぼれ、
     催促と脅迫、強迫、軽蔑と無視、後悔、
     羨望、嫉妬、羞恥心、回避性、気遣い、
     反社会性、誘惑と演技性、遊び、嗜癖

   第十章 症状形成
     症状形成、不安(不安神経症)、緊張、
     恐怖症、エディプス・コンプレックス、
     身体化、強迫(強迫神経症)、焦燥、
     ひきこもり、無気力、離人症、
     躁と鬱(うつ)、躁状態、鬱状態、
     自傷他害、様々な依存症、盗癖と放火、
     性倒錯(パラフィリア)、 摂食障害、
     解離性障害、幻覚状態、妄想状態、
     緊張病と破瓜病、常同症、思考障害、
     荒廃(人格崩壊)

   第十一章 疾患形成
     疾患形成と根治療法、精神病の原因、
     精神病の根治療法、
     統合失調症、統合失調症の原因、
     統合失調症の根治療法、
     統合失調感情障害、躁鬱病、
     躁鬱病の原因、躁鬱病の根治療法、
     内因性単極性鬱病、
     病的状態(重症人格障害)、
     病的マゾキズム(四疾患群)
     病的マゾキズムの原因、
     病的マゾキズムの根治療法、
     境界性人格障害、演技性人格障害、
     反社会性人格障害、強迫性人格障害、
     病的ナルシシズム(四疾患群)、
     病的ナルシシズムの原因、
     病的ナルシシズムの根治療法、
     統合失調質人格障害、
     統合失調型人格障害、
     妄想性人格障害、
     受身的攻撃的人格障害、
     防衛状態(軽症人格障害)、
     防衛マゾキズム(四疾患群)、
     焦燥性人格障害、
     強迫性人格障害、回避性人格障害、
     ヒステリー性人格障害、
     防衛ナルシシズム(二疾患群)、
     自己愛性人格障害、
     依存性人格障害、いわゆる神経症

    第十二章 治療技法
     治療技法、
     共感、解釈、こだま技法、謝罪技法、
     挑発技法、および優越誘導技法

    第十三章 情動制御理論の最重要十項目
     二種の不快な情動特性、
     許しの「二重同一化現象」と許しの満足、
     二重の「快・不快原則」、
     病的同一化と原始的防衛機制の違い、
     症状形成と疾患形成の違い、
     基本的防衛態勢(寛解期)と転移性精神病、
     うぬぼれの形成とその解消、
     マゾキズム系制御システム形成の四段階、
     ナルシシズム系制御システム形成の四段階、
     複合拘束と第二治療の意義

   第十四章 精神現象生成理論
     精神現象生成理論、葛藤外領域、夢、
     覚醒的自己(髄我)と意識、
     覚醒の強弱、認識、現実検討能力、
     脳内神経回路機能網、自我意識、前意識、
     無意識、自我意識の種類、
     情動排除型自我意識、情操型自我意識、
     防衛型自我意識、病識と病感、
     解離型自我意識、心因性健忘、
     多重人格の原因、多重人格性、
     多重人格の治療、さとりへの道、
     エロス期、タナトス期、ロゴス期、
     情動制御と認識形成、幽玄体験と本質否定、
     偶然化とヒューマニズム

   第十五章 夢
     「たかが」夢「されど」夢、夢と幻覚、
     フロイトの夢、
     夢分析は治療的に有用か?

   第十六章 精神分析統合理論の歴史性
     人格構造論、
     仏陀とフロイトをつなぐ精神分析統合理論、
     前意識−意識−無意識(新局所論)、
     自己と関係

   第十七章 精神分析統合理論の理論的概念
     病態水準と病型、統合失調症と躁鬱病、
     「病的マゾキズム」という疾患概念、
     「病的ナルシシズム」という疾患概念、
     防衛機制と心理機制、認知と情動

   第十八章 攻撃性に関する課題
     攻撃性の処理をめぐって、死の本能、
     マゾキズムと許し、暴力と犯罪

   第十九章 移行現象
     断片化と分身化、
     嫉妬といじめ(虐待)、
     性的サディズムと性的マゾキズム、
     依存症と鬱(強迫不全性人格障害)、
     嗜癖と依存症、
     移行現象と前駆型閉鎖回路

   第二十章 解離と解離性障害
     解離に関する従来の考え、
     解離に関する私の考え、
     解離性障害の位置づけ、
     解離と解離性障害に関する私の理論構成、
     多重人格と統合失調症、前意識と解離、
     解離と投影性同一視、前意識の利用の仕方、
     意識と自我意識、防衛と解離、
     不安や情動失禁それに離人症、健忘、
     身体化とヒステリー、多重人格の基本構造

   第二十一章 意識が関与する精神力動
     意識が関与する情動系、意識と不快−制御系、
     意識と不快−防衛系、意識と治癒機転、
     投影性同一視と解離性障害、幻聴と情動失禁

   第二十二章 鬱とその周辺
     気分変動の精神力動、鬱病におけるひきこもり、
     死にたいという気持ち、絶望と鬱、鬱と自殺、
     絶望と遁走、絶望サイクル、変身願望、
     絶望や鬱と解離性障害

   第二十三章 精神分析統合理論の治療概念
     精神分析とは?、抵抗、退行、
     見捨てられ感情、転移性治癒、
     治癒の転機と終結

   第二十四章 精神病根治療法の注意点
     治癒という目的、先行する第一治療、
     追随する第二治療、治療プロセスの決め手、
     終わった治療の検証作業

   第二十五章 疾患移動論
     気質と病型、
     統合失調症→境界性人格障害→回避性人格障害、
     躁鬱病→統合失調質人格障害→自己愛性人格障害、
     非気質軸疾患群の疾患移動、
     演技性人格障害とヒステリー性人格障害

   第二十六章 フロイト修正論
     因果関係と了解性、無意識から情動脳へ、
     リビドー論から情動論へ、幻想から現実へ、
     性欲論からの脱皮、フロイト修正論要綱

   第二十七章 脳研究
     心と脳、神経伝達の四つの構成要素、
     神経伝達内容=神経伝達経路+神経伝達様式、
     精神分析の薬剤化、遺伝+環境=発達、
     情動制御理論と脳研究、報酬系リサイクル機能、
     攻撃中枢と脆弱中枢、脳に関する原因と結果

   第二十八章 さとり
     信仰から「さとり」へ、なぜ、さとりなのか?、
     とらわれ(こだわり)のない心、
     さとりの定義、さとりと無意識、
     さとりの弁証法、
     さとりに関する類似の概念、
     「苦」のない心の領域、さとりと忍耐、
     さとりと希望、現代人のさとり、さとりと直感、
     静寂と安穏、さとりと経験、
     さとりと関係、さとりと孤独

   第二十九章 日常心理
     予測不能と予測可能、楽しさと面白さ、
     うぬぼれとお節介、巻き込みと焦燥、
     短気(癇癪)と反社会性、孤立と孤独、
     ひきこもりと躁的防衛、義務の果たす役割、
     忍耐と義務感、防衛因子と社会性、
     覚醒度と不快−防衛系、
     ねたみ(羨み)と惚れ込み、
     やさしさと思いやり、期待と希望、
     信頼と希望、希望と絶望、
     所有と希望、生き甲斐はとらわれか?、
     覚悟と諦念、全知と安穏、
     生と死に共通の特性、自由と希望、
     さとった後で、
     回避性と常同強迫、さとりと社会

   第三十章 その他
     間主観性理論と関係性理論、
     心のスクリーニング法、
     「行ない」から見た人物評価、
     脳内ネットと自由、側枝と天才

   第三十一章 東日本大震災の精神分析
     解離の真っ只中、一体感や連帯感、
     対象喪失に端を発した自己喪失、
     蔓延する絶望、忍耐と希望

 
 *英語版Digest version of the Integration Theory of Psychoanalysis は
   英語版サイト The Integration Theory of Psychoanalysis で紹介しています。

      ダイジェスト版精神分析統合理論:「自由と希望」の方法論

序文

 2007年10月、私は「精神分析統合理論」を出版した。この著書は、私が二十年以上にわたって研究し続けてきた精神分析に関する内容の集大成である。それは複雑で、しかも膨大であるが、この度、その内容をできるだけわかりやすく、かつコンパクトにまとめてダイジェスト版を作り、それを出版することにした。

 精神分析統合理論は、フロイトに基礎を置き、かつフロイト以降の研究を踏まえながら、それらを超えた新しい精神分析である。フロイトにおいては神経症、フロイト以降においては病的状態(重症人格障害)の治療戦略に関する研究が中心であったが、私は精神病を治療可能領域に含めた。そのためには、曖昧な既存の概念を修正し、その上で全く新しい考え方、つまり情動系を中心とした理論構成を導入しなければならなかった。かつて、フロイトが感情転移を発見して神経症論を展開し精神分析を確立したように、私は情動特性を発見して人格構造論を展開し精神病根治療法を確立した。

 こうした私の研究は、心に関する諸々の現象(精神力動)を解明し、精神病からさとりに到るまでの極めて広域な精神界に精神分析の適応を可能にしている。しかも、それと同時に、今まさに世界中で進行中の「心と脳をつなぐ作業」をも促進させるだろう。その際には脳内および情動系神経回路機能網の作成が必須の課題になる。いずれ脳研究から様々な神経回路の同定が行われ、脳から見た心に関する研究が行なわれるようになるだろうが、それに先んじて、私は心から見た脳に関する研究に着手した。つまり、こうした領域もまた精神分析の領域である。今後においては、脳研究と精神分析がドッキングすることができるような詳細でかつ精緻な研究が必要になるだろうと考える。

         ダイジェスト版精神分析統合理論:「自由と希望」の方法論

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精神分析統合理論は、革命的な精神分析理論である。心の健康と病気を定義付け、諸々の精神現象のメカニズムを解明している。その中でも、精神病である躁うつ病と統合失調症の成因を解明し、治癒をモットーにした根治療法を確立している。それによって、人類に課せられた最も大きな難問が解決されている。また、意識や自我意識の解明、「さとり」への道など、想像を絶する内容が含まれている。さらに、症例研究は比類なき圧巻である。精神医学や心理学の専門家だけではなく、心に関心を抱く知識人の方々にとっても必読書である。

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