オカルト、つまり様々な恐怖、神秘、憑依、超能力体験などの超常現象は、情動系に由来する「不快ー防衛系」と(快の追求としての)好奇心によって動機づけられ、その動機に知覚・思考系が関与することによって発生する。それが、ひとつの趣味の域を超えない程度のものであれば、ことさら、それを廃棄する必要はない。しかし、もしそれが破壊的心性を招くような程度のものに発展すれば、その排除が必要となる。いずれにしても、オカルトは病的な心性を反映しやすい素地を持っていることを、よく理解していなければならない。
精神分析統合理論は、革命的な精神分析理論である。心の健康と病気を定義付け、諸々の精神現象のメカニズムを解明している。その中でも、精神病である躁うつ病と統合失調症の成因を解明し、治癒をモットーにした根治療法を確立している。それによって、人類に課せられた最も大きな難問が解決されている。また、意識や自我意識の解明、「さとり」への道など、想像を絶する内容が含まれている。さらに、症例研究は比類なき圧巻である。精神医学や心理学の専門家だけではなく、心に関心を抱く知識人の方々にとっても必読書である。