「快・不快」の法則

 認知科学の原点は知覚である。その知覚から思考を経て、情動・意識・言語などを研究することができると思い込まれている。そして、このような類の膨大な研究が存在している。はたして、その成果は? 知覚から思考を経て運動に到るための技術は成果を上げているだろう。それは人工知能の領域であり、ロボット産業の領域である。しかし、この知覚を原点とする情動や意識、それに言語の領域はどれほどの成果をもたらしただろうか? この領域の研究に携わる研究者らは自分達の成果を主張したがるだろうが、客観的に評価すると、ひどく物足りない。膨大な企画費を投入してまで、何らかの成果を出そうとするのは、極めて疑問に思われる。

 たとえ「心理学と工学」と言っても、知覚を原点として、情動や意識、それに言語の研究に勤しんでも、大きな成果は望めないだろう。そうした実態については、おそらく、その研究の当事者が一番よくわかっていることであろう。しかし、そうした実態があるにもかかわらず、執拗に成果を求めようとする姿勢は何を意味するものか? 率直なところ、私には認知科学への「しがみつき」にしか見えないのだが、もう少し柔軟に対応することができないものか・・・そのためには、もっと視野の広い心理学を学ばなければならない。人間の本能である「快・不快」を原点にすることによって、そこから工学的に可能なイノベーションを引き出す必要があると考える。


              新しい心の分析教室:ノート(Ⅷ)

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精神分析統合理論は、革命的な精神分析理論である。心の健康と病気を定義付け、諸々の精神現象のメカニズムを解明している。その中でも、精神病である躁うつ病と統合失調症の成因を解明し、治癒をモットーにした根治療法を確立している。それによって、人類に課せられた最も大きな難問が解決されている。また、意識や自我意識の解明、「さとり」への道など、想像を絶する内容が含まれている。さらに、症例研究は比類なき圧巻である。精神医学や心理学の専門家だけではなく、心に関心を抱く知識人の方々にとっても必読書である。

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