日本国憲法を作ったバイデン

 コロナ騒動の最中に起きた警官による黒人殺人事件。その事件の様子がネットで流され、何とも痛ましい事実が世界中を駆け巡り、それを知った人達は大きな動揺を示している。そして、その時、どれほど多くの人がアメリカ大統領の言動を信じ難く思ったことか!ところが、その大統領の交代する可能性が出てきている。それは、この秋に行なわれる大統領選挙によって、トランプ氏からバイデン氏に交代する可能性がある。

 そうした未来を予想しながら、これから日本人が遭遇するかも知れない、ひとつの懸念について話しておきたい。その懸念とは、バイデン氏がアメリカ合衆国大統領に就任し、来日する時を想定してのことである。その内容は「日本国憲法を作ったバイデン」というタイトルに示した。むろん、バイデン氏が直接、日本国憲法を作ったのではない。彼はアメリカが日本国憲法を作ったと学校で学んだという。私もまた日本国憲法はアメリカが作った(そして、それを日本人に押し付けた)と習った。すでに周知のことであったが、その時の事、つまり彼が「日本国憲法を作った」と言った時の事を、私は鮮明に憶えている。

 バイデン氏も私も過去の(歴史上の)事実を共有している。だから、それほど鮮明に憶える必要もないことである。もし彼が、たとえば「日本は核を保有することはできない。そんなことをすれば、彼らの憲法に抵触するからだ!」とでも言っていれば、私は何も感じ、考えることはしなかったと思う。ところが「我々アメリカが作って与えた憲法に反する」というような趣旨で豪語されると、これはいかがなものかと、それを聞かされる日本人は、こみ上げる(ほとんど不要な)思いと考えを吟味しなければならなくなる。

 最も素朴な思いと考えとして、「われわれ日本人は、アメリカに核による被害を与えたことはありません。しかし、アメリカは日本に原爆を二つも落とし、一瞬のうちに、数十万という日本人の命を奪ったではありませんか?それにもかかわらず、アメリカは(自由に)核が使えて、日本はそれを使ってはいけないと言われても、納得できませんが・・・」という意見が出てくるかも知れない。アメリカの日本に対する「殴っておいて、(殴られた方の)手を縛る」行為は、その報復を恐れるからであろう。しかし、そのような対応は永久に続くだろうか?

 私は現在の日本の憲法に対して、特別な思いを持つ人間ではない。今、問題にしているのは、もしバイデン氏がアメリカ合衆国大統領になって来日すれば、「日本国憲法を作った」アメリカ合衆国大統領が来日することになるだろう。かつて、そのような発言をしたバイデン氏が、来日して(まさか)再び同じような内容を豪語したら、我々はどう対応したらよいのだろうか?そうした懸念が、すでに生じている。このような(不要な)思いや考えを、バイデン氏が我々に届けないことを願わずにはいられない。それにしても、「トランプか、それとも、バイデンか?」を選ばなければならないアメリカ国民の心中は、いかばかりのものであろうか?

             新しい心の分析教室:ノート(Ⅴ)

尊敬されなくなったアメリカ合衆国

 「今さら、尊敬される国でもなかろう!」と言われそうだが、しかし、何か学んで来ようと思って選ぶ国は、やはりアメリカであろう。「なぜ、アメリカか?」と問われても困るが、とりあえず、アメリカに行って、自分にできそうなことを考えてみる。今から30年前、私はアメリカに留学した。そして、その当時、最先端だと言われていた治療法を知り、これでは治せない!と思って帰国し、それ以降一人で研究する日々を送るための、いわば契機を与えてくれた国である。

 最近のケーブルテレビでは、国内だけではなく、アメリカや中国のニュースをいつもやっていて、好きな時間に見られるようになったが、私の場合、国内や中国のニュースよりも、アメリカのニュースを見る時間の方が長い。おそらく、それは今アメリカで大きな動きが続いているからであろう。コロナ騒動、黒人殺人事件、そして大統領選挙など、今年アメリカは激動の年になっている。はたして、これからどうなるか?コロナや大統領の影響は日本にも及ぶので、決して野次馬根性で見ているわけではない。

 私はアメリカ市民ではないので、その実感はわからず、当を得ていないかも知れないが、今度の大統領選をたとえると、まるで食べると狂牛病か、それとも腸チフスにでも罹りそうな食べ物を選ばざるを得ないような状況が訪れるのではないかと勝手に想像してしまう。問題は、なぜそのような選択を迫られる大統領選をしなければならないのかという問いの本質にある。はたして、コロナや黒人殺人事件は争点になるだろうか?何となく、ピンと来ない。もし、そうであれば、トランプ氏は悶え苦しみ、バイデン氏は左団扇(ひだりうちわ)である。

 まあ、しかし、選挙は生ものだから、その時の勢いだけで決着がつくだろう。そして、また新しく何かを始められそうな雰囲気に嵌り、お祭り気分が発生するだろう。その時には、上記の本質への問いは後回しになる。否、気づいていれば、後回しという言い方もできようが、気づかなければ、単にわかっていないというだけのことである。今、私は何種類もの不快が同時にアメリカ社会を襲っていると思うが、何らかの原因に基づいた象徴的な結果として「富裕層と肥満族」があり、その長期出現によって、今の混乱が生じているように考える。それでは、その原因は何か?

 それは、貨幣を(時には)生命よりも価値あるものとして容認するアメリカ人の認知であり、情動であり、意識であり、人格にあると思う。これらがアメリカ社会に根付いており、その結果、富裕層と肥満族が出現した。このように言うと、反論するアメリカ人もいよう。「私は富裕層でもなければ、肥満族でもない。だから、あなたの話は間違っている!」と。しかし、そのアメリカ人は、近い将来、トランプ氏か、それともバイデン氏かを選ばなければならない。その時に、私が(上記に)たとえたような困惑や恐怖を体験しないと言い切れるだろうか?おそらく、それはできないだろう。だとすれば、アメリカ社会は自分達の価値観について(新しく)考え直さなければならない時期が来ているとも言える。

 (ひとつ断わっておかなければならないことがある。それは、自国やアジアの隣国について、私はこのような類の発言をしないという点である。それでは、なぜアメリカだけを取り上げるのか?それは、たとえアメリカを取り上げても、その言論は弾圧されない、つまり、言論の自由は保障されていることを感ずるからである。)

              新しい心の分析教室:ノート(Ⅴ)


権威主義と拝金主義の行方

 アメリカ合衆国大統領選挙は秒読み状態に入った。今回は、狂ったトランプ氏か、それとも呆けたバイデン氏かの、どちらかを選ばなければならない最悪の大統領選挙だと言われている。しかし、最悪だと言っても、自分達つまりアメリカ国民がそういう二人を選ぶことにしたのだから、それは誰のせいでもない。つまり、すでに多くのアメリカ国民が狂っているか、それとも呆けているか、そのいずれかであるということである。

 今回の大統領選の争点はコロナ騒動であるらしい。そのコロナだが、未だに感染者が増え続けている地域があると聞く。それもまたトランプ氏のせいであると言いたそうだ。たとえトランプ氏がマスクをつけないからと言って、テレビに出ているトランプ氏からうつされるわけでもあるまい。それでも、お構いなしである。責任を擦り付ける報道ばかりが続いている。しかし、有効なワクチンが飛び出せば、すべては終わるに違いない。

 ところで、選びようのない選挙かも知れないが、たとえどちらが大統領になっても、いま世界中で、特に中国とアメリカで発生している極めて深刻なテーマ、つまり権威、権力、財力を溜め込んだ「権威主義」と「拝金主義」に、いかなる方法を用いてでも、しっかりと対応してもらいたい。ただし、いま争われている大統領選で、大統領自身が自分の子孫のために財力を得ようとしているのであれば、こうした問題は消極的にしか扱われないだろう。

 一番の注目は中国であろう。中国では中国共産党が権威主義の中心である。すでに表舞台を退いた江沢民と、その一族は1000兆円という私的財産を隠し持っているという噂がある。江沢民は中国の広い地域に勢力を持っているらしいが、その地域に住む多くの人民は貧困のようだ。想像を絶するような貧困とは裏腹に、想像を絶するような蓄財を可能にしているのが、中国共産党という権威主義である。この権威主義の本性は拝金主義である。

 拝金主義をもたらす権威主義は、何も中国共産党だけではない。アメリカ合衆国は民主主義国家であるが、いま世界中を搾取し捲っているGAFAは、この民主主義国家から生まれた巨大企業である。これらの企業は想像を絶するような購買力を持って、地球の大部分を買ってしまえるような脱税財力を隠し持っている。世界中の民衆が、これらの大企業の犠牲になっているのだから、当然、それはアメリカ国民の貧困化の原因にもなっている。民主主義とは名ばかりであり、すでに権威主義の末期症状である(拝金主義がもたらす)貧困化はピークに達している。

 このように見てくると、アメリカ合衆国は権威主義と拝金主義によって潰れ掛かっている。コロナ死者数が多いので、その動揺は収まる気配を見せないが、突き詰めてみれば、いま私が話したことがアメリカ社会の根底に流れていて、もはや狂った人も呆けた人も止めようがない。しかし、これを何とかしないと、疾病は止まず、暴動は繰り返されるだろう。権威主義と拝金主義のせいで、言論の自由は弾圧され、世界中、貧民の数だけが膨張し、我々は日々平等から遠ざかる運命を辿っている。たとえ誰が大統領になろうとも、いま私が述べたような喫緊の課題に対して、根本的な改善が必要である。地球から、権威主義と拝金主義をなくすことが、人類が生き残る唯一の方法である。

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精神分析統合理論は、革命的な精神分析理論である。心の健康と病気を定義付け、諸々の精神現象のメカニズムを解明している。その中でも、精神病である躁うつ病と統合失調症の成因を解明し、治癒をモットーにした根治療法を確立している。それによって、人類に課せられた最も大きな難問が解決されている。また、意識や自我意識の解明、「さとり」への道など、想像を絶する内容が含まれている。さらに、症例研究は比類なき圧巻である。精神医学や心理学の専門家だけではなく、心に関心を抱く知識人の方々にとっても必読書である。

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