精神力動論が主として心の横断面に関する研究であるのに対して、精神発達論は主として心の縦断面に関する研究である。いずれの研究も重要であるが、学習の難易度から言えば、精神力動論に比べ、精神発達論の方が、遥かに容易である。なぜならば、精神力動論は精神病からさとりに到るまでの精神構造を課題にするのに対して、精神発達論は実際の育児などを自分の心の成長と照らし合わせて観察し、吟味することができるからである。すでに膨大な乳幼児研究が存在するので、それを学ぶことによって、心の成長プロセスを知ることができる。ちなみに、私も若い頃は精神発達論をよく勉強した。しかし、精神病根治療法を確立していくプロセスにおいて、精神発達論を放棄した。

  最近、「精神発達障害」という一連の症状群が話題になっている。特にその中でも、アスペルガー症候群は繰り返し報道されるので、有名な症候群になった。一口に、発達障害といっても、脳のどの部分の発達障害か?によって、予後も異なってくるようである。はたして、そうした発達障害と機能性精神疾患との間には、何か関係があるのかどうか?たとえば、統合失調症にしても、躁鬱病にしても、立派な精神発達障害である。いわゆる陽性症状を解除していけば、いわゆる陰性症状が前面に出てくる。向精神薬が陰性症状に無効なのは、陰性症状を作り出している精神発達障害に問題があるからである。だから、根治療法を行なって発達障害を取り除けば、いわゆる陰性症状もなくなる。

              新しい心の分析教室:精神科教育の課題(2)

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精神分析統合理論は、革命的な精神分析理論である。心の健康と病気を定義付け、諸々の精神現象のメカニズムを解明している。その中でも、精神病である躁うつ病と統合失調症の成因を解明し、治癒をモットーにした根治療法を確立している。それによって、人類に課せられた最も大きな難問が解決されている。また、意識や自我意識の解明、「さとり」への道など、想像を絶する内容が含まれている。さらに、症例研究は比類なき圧巻である。精神医学や心理学の専門家だけではなく、心に関心を抱く知識人の方々にとっても必読書である。

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