いきなり、精神科医になるための資質を問題にするよりは、むしろ精神科医になるための動機を扱った方が適切である。一般に、医者は体の病気を診ることが仕事である。たとえ精神科医になろうとしても、最近では体の病気も診るという二年間の研修が義務付けられている。その後、あえて逸脱して、心の病気を診るということになると、それなりの理由があるだろう。考えられる動機として、表向きは心に興味があるということだろうが、内心は何らかの精神的な苦痛に悩んでいるという事情がありそうだ。しかし、こんなことを言うと、すべての精神科医は病人であるということになるので、必ずしもそう言い切れるものではないと注釈をつけておく必要がある。

  確かに、私の知っている精神科医の中にも、明らかに精神病を患っている人がいる。しかし、そういう精神科医はごく一部である。多くの精神科医は(私が紹介した精神構造の中の)防衛状態にある。防衛状態の特徴は、葛藤の存在である。私の観察によると、その中でも、強迫性人格(障害)と自己愛性人格(障害)が多いようである。だが、たとえそうした人格(障害)を持っていても、よほどのストレスがかからなければ、それが顕在化することはない。しかし、精神科領域において、病的状態(重症人格障害)や精神病状態にある患者さんの(本格的な)精神療法や精神分析をやろうとすると、一挙にストレスがかかり、治療にはならなくなってしまう。

              新しい心の分析教室:精神科教育の課題(2)

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精神分析統合理論は、革命的な精神分析理論である。心の健康と病気を定義付け、諸々の精神現象のメカニズムを解明している。その中でも、精神病である躁うつ病と統合失調症の成因を解明し、治癒をモットーにした根治療法を確立している。それによって、人類に課せられた最も大きな難問が解決されている。また、意識や自我意識の解明、「さとり」への道など、想像を絶する内容が含まれている。さらに、症例研究は比類なき圧巻である。精神医学や心理学の専門家だけではなく、心に関心を抱く知識人の方々にとっても必読書である。

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