はじめに防衛状態(軽症人格障害)にある患者さんのスーパービジョンを受け、次に病的状態(重症人格障害)にある患者さんの治療のスーパービジョンを受けることができれば理想的であるが、はたして後者の症例のスーパービジョンを引き受けてくれる精神療法家や精神分析医がいるかどうか?これは今もなお深刻な問題である。現状において、病的状態(重症人格障害)を治すことのできる力と、その治療法を習得しているスーパーバーザーは極めて少ない。一部の研究者が、自らの治療体験を書籍にしているので、とりあえず、そうした書籍から治療の感触をつかむしかない。ただし、そうした書籍であっても、我流であったり、断片的であったりして、本当に役立つかどうか疑わしい。

  そうした状況を一挙に解決してしまおうと思い、私は精神分析統合理論を書いた。すでに紹介してきたように、精神分析統合理論の出発点は病的状態(重症人格障害)の治療にある。それによって、許しや救いのメカニズムを解明し、健康に到るプロセスを定式化した。精神病の治療はその応用に過ぎないが、病的状態の治療に比べ、技術も労力も倍加する。特に注意すべき点は、治療者としての力がついてくると、憎み合う関係や救いのない関係を作りやすくなるということである。しかし、そこから抜け出すことができなければ、収拾のつかない事態に発展する危険性がある。そうした内容を詳細に書いておいたので、たとえ難解な書であると感じても、精神分析統合理論から出発するのが最もよい習得方法であると考える。

              新しい心の分析教室:精神科教育の課題(2)

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精神分析統合理論は、革命的な精神分析理論である。心の健康と病気を定義付け、諸々の精神現象のメカニズムを解明している。その中でも、精神病である躁うつ病と統合失調症の成因を解明し、治癒をモットーにした根治療法を確立している。それによって、人類に課せられた最も大きな難問が解決されている。また、意識や自我意識の解明、「さとり」への道など、想像を絶する内容が含まれている。さらに、症例研究は比類なき圧巻である。精神医学や心理学の専門家だけではなく、心に関心を抱く知識人の方々にとっても必読書である。

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